WEBデザインのスキルを身につけて、いざ初めてのクライアントワーク。
やる気は十分、納期も守る、デザインもちゃんと提案できた。
でも──それでも起きてしまうのが、**「クライアントトラブル」**というやつ。
この記事では、よくあるトラブルの一例と、そのときどう乗り越えたか、何を学んだかをフィクションベースでリアルに描く。
「これからクライアントワーク始める人」にこそ読んでほしい、転ばぬ先の知恵として。
1. その案件は、クラウドソーシングから始まった
はじめての受注。バナー制作。報酬は3,000円。
「正直安い。でも、実績を作りたいから受けてみよう」
そんな気持ちでスタートした。
クライアントは個人事業主の方で、やり取りは丁寧。
バナーの用途、ターゲット、トンマナも伝えてくれて、こっちもスムーズにデザインを進められた。
2. でも、違和感は少しずつあった
最初のフィードバックが来たのは3日後。
「いい感じです!でももう少し“高級感”を出してもらえますか?」
──“高級感”?
色を変える?フォントを変える?
指示がふわっとしてて、何を直せばいいかわからない。
それでも、自分なりに3案作って送り返した。
が、返事はまた3日後。「うーん、まだイメージと違って…もうちょっとシンプルに。」
方向性が変わってない?
提出→3日待ち→方向性ぶれる→また提出。
徐々に、時間だけが削られていく感じになっていった。
3. トラブルは“限界”と“すれ違い”の中で起きた
4回目の修正案を送ったあと、連絡が5日間途絶えた。
「確認中かな?」「忙しいのかな?」と待っていたけど、
返ってきたメッセージはまさかのひとことだった。
「やっぱり今回はイメージが合わなかったので、別の方にお願いすることにしました。すみません…!」
え?
納品してないから報酬ももらえないの?
ここまで作った時間は?
言葉では言い表せない悔しさと、どうにもできない無力感が一気に押し寄せた。
4. どう対応したか──感情じゃなく、事実を整理した
泣きそうだったけど、感情をぶつけたら終わる気がして、
まずやったのは、過去のメッセージの見直しだった。
- 修正指示は明確だったか?
- 提案は文面で丁寧に返していたか?
- 見積もり時に「キャンセル時の条件」を入れていたか?
結果から言えば、キャンセルポリシーは一切なかった。
それに、やり取りも「メールやチャットだけ」で、相手の本音や認識のズレに気づけていなかった。
5. その後どうしたか?──“ルール”を作った
あの経験から、私は以下の3つをルールにした。
■ 修正回数の上限を決める
「2回目以降の大幅修正は別料金」と伝えるようにした。
最初に言っておくだけで、クライアントの態度も変わる。
■ キャンセルポリシーを明記する
「着手後にキャンセルとなった場合は〇〇円頂戴します」
“ダメならナシで”という空気を防げるようになった。
■ 最初に“理想像”をすり合わせる
ふわっとした指示には「具体的に言語化してもらう」。
「理想に近い画像や参考サイトを共有してください」とお願いすることで、認識ズレを減らせた。
6. トラブルは“必ずある”。でも、対応次第で“学び”になる
正直、あのときはへこんだし、自信も一度なくした。
でも今振り返れば、あの経験がなかったら、今の仕事スタンスは作れなかったと思う。
- スキルだけじゃなく、コミュニケーションとルール設計が仕事の一部
- トラブルは“失敗”じゃなく、“仕事力を上げるレッスン”になる
クライアントワークって、人と一緒に進める“作品づくり”。
だからこそ、ぶつかることもあるし、それが自分の成長につながっていく。
まとめ|最初のトラブルは、最初の本当の学びになる
初めてのクライアントトラブルは、誰にでも起こりうる。
だけど、そこで「向いてないかも」と思うか、「次はもっと上手くやろう」と学びに変えるか。
今の自分があるのは、あの1回の悔しい経験があったからこそ。
読んでくれたあなたが、もし同じような壁にぶつかっても、
「こうすればよかったんだ」とヒントになったなら嬉しい。